家庭の薬膳 第48回 ~桑の実

桑の実の味と性質


薬膳の考え方では、桑の実の味は「甘く」、性質は「温寒のどちらにも偏らない」という分類になります。

桑の実の効能


桑の葉は蚕のえさになりますが、さて桑の実はどういったものか、すぐには思い浮かばない方もおられるかと思います。
上の画像がその桑の実、マルベリーとも呼ばれるベリーの一種です。
桑の原産地は中国北部で、日本へは5世紀ごろ蚕と共に伝えられたそうです。
桑の実は、若い時は青くて酸味が強く食用には向きませんが、熟するとともに黒に近い濃い紫色になり、そのまま食べても甘酸っぱくて大変おいしいのです。
桑の実は、その色からも伺えるように抗酸化作用の強いポリフェノールをふんだんに含むほか、ベータカロチン、ビタミン、ミネラルなどが豊富です。
中国では、桑は食用にもなる実の他、葉、皮、枝をすべて余すところなく漢方薬に使われます。
他にも、桑の実には以下のような効果があるとされ、民間療法に用いられてきました。

■高血圧の改善
■ぜんそくの症状の緩和
■貧血の改善
■関節の病気の改善
■急性の腎疾患の改善

効能としては、気を高め、解毒の作用もあることから、5月20日頃の「小満」の季節の体調を整えてくれると言われています。
そのまま食べるのはもちろん、ジャムやお菓子作りにもぴったりの桑の実、どこででも売っているものではありませんが、通信販売などでも入手はできるようです。
是非、初夏に味わってみてください。


このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。

15.May.2014