家庭の薬膳 第18回 ~松の実

松の実の味と性質


薬膳の考え方では、松の実の味は「甘く」「辛く」、性質は「体を少し温め」「毒はない」という分類になります。

松の実の効能


松の実には以下の効能があるとされています。

■体力消耗時の栄養補給
■胃腸の機能の改善
■肺の機能の改善
■美肌効果
■便秘
■慢性気管支炎(特に加齢によるもの)

松の実は、中国では古代から不老不死の薬として珍重され、民間療法でも広く用いられてきました。
現在でも、生命力を高める食材として、健康食や薬膳料理には欠かせないものとなっています。
松の実は、粘膜を強くするとされ、昔から咳やぜんそくの治療にも用いられてきました。
また、毎日少しずつ食べることで肌荒れを改善し、つやのある肌にしてくれるものとして、女性にも重宝されてきました。
これらは豊富にふくまれる良質の脂質やビタミンB、E、ミネラル類などのはたらきによるものです。
中国の家庭では、秋になると松の実だけでなく、ナッツ類全般が多く食べられるようになります。
料理だけでなく、スープやお茶、デザートと幅広く使われます。
冬の定番のお菓子として、松の実などのナッツの入った甘い餃子や、つぶした松の実入りのあんまんなどがあります。
これは普通のあんまんにくらべて、香ばしくてとても美味しいんですよ。

この松の実が多く採れるのは、寒く乾燥した気候の東北三省(遼寧省・吉林省・黒竜省)で、特に北部の地方の家庭では、好んで食べられます。
また、同じく寒さと乾燥の厳しい韓国でも、松の実を使った料理が数多くあります。

ちなみに、漢方や民間療法では、松の実だけでなく、松の葉や花粉、木の皮、木から採れる油なども用いられてきました。
松の持つ生命力をあますところなく取り入れてきた先人の知恵には、ほんとうに感心させられます。

松の実を使ったレシピはこちら


このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。

01.Nov.2008