
ニラの味と性質
薬膳の考え方では、ニラの味は「甘く」「辛く」、性質は「体を温める」という分類になります。
ニラの効能
ニラには下記のような効果があると言われています。
■疲労回復
■食欲増進
■解毒作用
■眼の疲れの回復
■冷え性の改善
中国語では、ニラは「韮(jiu)」の他に、「起陽草(qiyangcao)」「壮陽草(zhuangyangcao)」などの別名でも呼ばれています。
また、特に旬の春にはニラの解毒作用などの効能や栄養価が高くなるため「春草(chuncao)」とも言われます。
非常に多く含まれるカロテンの他、ビタミンCやカリウム・カルシウムなどのミネラルがバランスよく摂取できます。
ニラの独特の強い香りはアリシンという香り成分で、同じく匂いの強いにんにくや葱にも含まれているものです。
これは、殺菌・解毒作用の他、疲労回復に効果のあるビタミンBの吸収を促進させます。
古来より中国では、根・茎・葉・種の全ての部分が薬として使われてきました。
今も民間療法として、ニラはさまざまな使われ方をしており、その一部をご紹介します。
例えばぶつかってできた青あざに、根の部分をすりつぶし布に染み込ませて患部に貼ったり、腰痛には紹興酒で煮込んだものを直接塗ったり、もしくは飲んだりします。
他にも、胃の調子が悪いときには牛乳で煮込んで飲むこともあるそうです。
さすがに美味しそうとは思えませんが、消化機能をよくする牛乳との組み合わせは確かに効きそうではありますね。
このような効能を持つニラですが、食べる際には少し注意が必要です。
ニラは適量なら、消化や解毒などの優れた効果がありますが、一度に大量の摂取をしてしまうと、逆に消化不良の原因ともなりかねません。
この季節はニラの旬ですが、美味しいからといって食べ過ぎず、ほどほどの量を心がけましょう。
また、ニラは強い生命力を持つ野菜で、あまり手間をかけなくてもどんどん育つほどです。
そのため、昔から強壮剤としても使われており、僧侶には食べることを禁止されていたのです。

このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。