
立冬の頃の食養生
「立冬(りっとう)」とは、初めて冬の気配が感じられる日のことで、毎年11月7日頃をいいます。
厳しい寒さに向かい始めるこの時期に心がけたいことは、まず第一にたっぷりの睡眠をとること。
中国では昔からこの時期には「早寝遅起」をするのがよいとされています。
そして起床後はすぐに太陽の光を浴びましょう。
太陽光を浴びることで体内で作られるビタミンDは、骨の生成やうつ病などの予防に効果があります。
日照時間の少なくなる冬には、積極的に朝の日光浴の習慣を取り入れたいものです。
また、漢方では、気温が下がるにつれ腎機能が弱ってくるといわれています。
その予防には、体を温めること、特に下半身や背中を冷やさないことが大切です。
寝る前の足湯など、体を温める生活スタイルを心がけてください。
立冬の頃の体によい食材は、体を温める根菜類や、風邪予防のための果物など。
ただし果物を夜に食べると体を冷やしてしまうため、これから活動を始める朝に食べるのがいいでしょう。
また、魚や鶏肉などの良質なたんぱく質や、肌の潤いを保つごま・くるみなどのナッツ類もおすすめです。
他には、腎臓のはたらきをよくする「黒い」食材である、きくらげ・黒ごま・海藻類もよいでしょう。
ただし、海藻類は食べ過ぎると甲状腺の免疫異常の原因にもなるので注意が必要です。
その他、体を温めて、腎機能を高める食材は、ナマコ・すっぽん・鹿肉・羊肉など。
寒さと乾燥の厳しい北京では、羊肉の鍋ものは冬の体力づくりに欠かせない料理です。
さて、冷えた体を温めるために運動をされる方も多いと思います。
ただし、冬の運動には注意点があります。
それは、汗をかきすぎないこと。
発汗による体の冷却効果で、体内の「陽」の気が逃げてしまうため、腎機能が弱り、加えて来年の春の体調の乱れにつながることに。
冬にはゆるやかな運動、例えばヨガや太極拳、ストレッチがおすすめです。
立冬以降、寒さは本格的な冬に向かっていきます。
体を温め、寒さに負けず健やかに過ごしていきたいものですね。

このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。