季刊・家庭の薬膳 季節のすこやか食養生

立春の頃の食養生

節分の翌日の2月4日は「立春」です。まだ寒いながらも、はじめて春の気配が立ち現れてくる日が、この立春にあたります。

寒さが厳しく夜の長い冬には、「早く寝て、遅めに起きる」ことが健康を保つ秘訣ですが、立春以降は「普通の時間に寝て、早起きする」ように、生活リズムを変えるとよいと言われています。

着るものについても、少しだけ変えてみましょう。下半身は冬と同じく厚着して温かく保ちますが、上半身は心もち薄着を心がけるよいでしょう。

さて、次は食事について。
実は、春は肝臓の働きがにぶる季節なのです。
そこで肝機能を高めたり、保護をするために、多少「辛」いものや「甘」いものを食べるようにします。おすすめの「辛」い食品は、ねぎやにんにく、にんにくの芽、にら、大根などです。ただし「辛」も「甘」も、あまり食べ過ぎると、身体にとって「毒」になってしまいますので気をつけて。

また、お酢など酸味の強いものも少し控えめにするとよいようです。
そして、お酒の好きな方にはつらいですが、肝機能の低いこの時期には、アルコールはかなり控えめにすることをおすすめします。
ちなみに、怒ると肝臓に悪いとも言われているので、ゆったりとした気持ちでいることも大事なんですよ。

逆に食べたほうがよいものは、高たんぱくの食品です。
動物性のものも、大豆など植物性のものもどちらでも大丈夫。
良質のたんぱく質は肝臓ケアに欠かせないからです。

あと、漢方では目と肝臓はつながっていると考えられており、目が疲れると肝機能も低下します。長時間パソコンに向かうときは、たまに休憩して目の周りをマッサージなどして目をいたわってあげれば、同時に肝臓ケアにもつながるというわけです。

最後に、春に気をつけたい身体の不調や病気について。
気温が上がってくると、漢方で言うところの「温」「熱」「毒」「邪」(風邪という言葉は、ここから来ています)も活発になり、真冬よりもインフルエンザや肺の病にかかりやすくなってしまうのです。

でも、ちゃんと対策はあるのでご安心を。
まず窓を開けて換気を頻繁に行うこと。
また、うがいや鼻うがいを時々行い、口内と鼻の殺菌をすることなどを心がけましょう。
それから、冬にはあまり動かしていなかった身体を少し鍛えるのもよいでしょう。

ともあれ、寒さがすこしずつやわらぎ、お日さまの出ている時間も長くなってくる春は、心も身体も晴れやかになります。
体調を崩すことなく、元気に過ごしたいものですよね。



このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。

04.Feb.2009