季刊・家庭の薬膳 季節のすこやか食養生

小満の頃の食養生

毎年5月21日ごろが「小満」にあたり、このころから急に気温が上がり始めます。

爽やかだったそれまでに比べ、急に暑く感じるようになると、つい薄着になったり冷たいものが欲しくなったりしますが、この時期にはむやみに体を冷やさないことが大切です。

特に夜の就寝時や、外からエアコンの効いた室内に入るときなどに、注意が必要です。
ここで体を冷やしてしまうと、夏に神経性の痛みや、頭痛、だるさ、胃腸の風邪、腰痛など、さまざまな体のトラブルを招いてしまうことも。最悪の場合では、心臓病をおこす引き金になるともいわれています。

小満は、動植物の成長や活動が生気に満ちる時期であり、一年で最もエネルギーを必要とする季節でもあります。
ですので、たんぱく質、ビタミン、炭水化物など、いろいろな栄養をまんべんなくとることが重要です。
気温が高くなれば、体内の水分も失われがちですので、しっかり水分を補給することも忘れずに。

気温の上がる小満のころから発汗量が増し、そのぶん血液の流れが滞り、心臓に負担がかかりやすくなります。
中国では昔から、小満の頃には苦味のあるものを食べるとよいといわれています。
苦味のもとは心臓によく、また体内の熱を取り除くはたらきがあるからです。
たとえばお茶や苦瓜、また飲みすぎはいけませんがビールなどもよいでしょう。

また、血管を柔らかく保ち、きれいな血を心臓に送るはたらきのある食材もとりたいですね。
きゅうりや、にんにく、にんにくの芽や苗、びわ、桑の実などです。

さらに、湿度も徐々に上がってくるに従い、胃やすい臓への負担も増してきます。
昔から、小満から夏にかけて健康を保つために、下記のような食材を食べる習慣があります。
とうもろこし、はとむぎ、いんげん、せり、冬瓜、トマト、玉ねぎ、枝豆、青魚・・・などなど。

それから、この時期には汗で失われるミネラルや、ビタミンが豊富な果物もおすすめです。
いちご、あんず、キウイ、ライチ、すいかなど、旬や初物のおいしさをたっぷりどうぞ。

まだまだ厳しい暑さではありませんがこの頃から夏に備えての体作りを心がけていきましょう。


このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。

15.May.2012