季刊・家庭の薬膳 季節のすこやか食養生

啓蟄の頃の食養生

毎年3月5日ごろを「啓蟄(けいちつ)」といいます。
冬の間に土中で眠っていた虫が這い出てくるころです。

この時期には、体がだるく、よく眠気におそわれます。
「春眠暁を覚えず」とは、春には朝が来たこともわからないほどよく眠るということですが、これは正常な生理現象です。
気温が上がると、ちぢこまっていた全身の血管にたくさんの血液が流れるので、そのぶん脳に送られる血液が減り、このような「春の眠気」現象が起きるようです。

啓蟄の頃は、一日のうちでも寒暖の差が大きいため、風邪をひきやすくなります。
少々暖かくなったからといって、すぐに薄着になるのは禁物。
風邪は寒い時よりも、むしろ暖かくなり汗をかいて服を脱ぎ、体が急に冷えた時にかかりやすいので注意しましょう。

寒さの残るこの時期には、体内の「陽」の気を増やす食材、例えば、ニラやほうれんそう、からし菜などの野菜がおすすめです。
また、気温が上がると菌も活動をはじめるので、細菌感染による病気が増える季節でもあります。
これを防ぐには、なんといっても、殺菌効果のとても高いにんにくがおすすめです。
生で、またはたくさん食べ過ぎると胃に負担がかかりますが、適量を毎日食べるのがいいでしょう。
いろいろな細菌の体内侵入を防ぐため、お刺身の好きな人もこの時期は控えめにしたほうがいいかもしれません。

薬膳では、春先は酸っぱいものを少なく、甘みを多めにするとよいと言われています。
春になり肝機能が高くなりすぎると、却って脾臓や胃に悪影響を与えるため、肝気を旺盛にする酸のものを控える、というのが理由です。
脾臓や胃を丈夫にする山芋やはすの実、白きくらげを使った料理もいいでしょう。

春に多く食べたいのは植物性たんぱく質やビタミンを多く含む野菜や野草です。
特に毎日の食卓に取り入れたいのは、ねぎ、パセリ、味噌や納豆などの大豆発酵食品、干しナツメなどです。
他にも、アロエ、芹、菜の花などは、急に暖かくなる時期ののぼせも冷ましてくれるはたらきがあります。



このページの内容は、中国の昔からの民間療法や、年配の方から伝え聞いた話を基に構成しています。
病気やその他の疾患に、必ず効果があることを保証する訳ではないことをご了承下さい。

01.Mar.2010