うまいもん放浪記 特別企画 第20回 ~ パンちゃんの山形への旅


特別企画第20弾は、パンちゃんが講演のために訪れた山形の旅の様子をご紹介します。
初めての山形では、たくさんのおいしい郷土料理と優しい方々に出会い、すっかりこの地のとりこになってしまったパンちゃんです。



7月上旬に、講演会のために初めて山形県を訪れました。
場所は山辺町、約250人の皆さまにお集まりいただき、中国の薬膳や、健康のために私が日ごろから気をつけていることなどをお話しいたしました。
佐賀関へは毎年訪れますが、今年のものが今までの中で最高のネタでした。


こちらは講演会の控え室でいただいた、山形ならではの美味しいおやつの数々です。
左は地元産のプリン。酪農も盛んなところですので、牛乳の味をいかした家庭風のやさしい味が嬉しいです。
中央は「南陽」という品種のさくらんぼ。
有名な「佐藤錦」のシーズンが過ぎた後に収穫されるそうですが、とても甘くてみずみずしいものでした。
右は山辺町独特の「酢だまり」をかけたかき氷です。
これはお酢としょうゆを7:3で混ぜたもので、その昔シロップが手に入らなかった子供が使ったのが始まりだそうです。
今は普通のシロップと一緒にかけて食べますが、私は「酢だまり」だけでも美味しく感じました。
最初はちょっと驚きましたが、後味がさっぱりしておすすめです。


講演を終えると、地元の蕎麦屋さんで懇親会を催していただきました。
山辺町の皆さんは、この地を活気付けようと様々な挑戦をされています。
なんでも上海蟹の養殖に取り組まれたこともあるそうです。
さて、右は山形の夏には欠かせない郷土料理の「だし」です。
きゅうりやなす、オクラなどの夏野菜、みょうがや大葉などの香味野菜をみじん切りにして昆布と醤油、だし汁と混ぜたもの。
あたたかいご飯や冷奴にかけると、暑い夏でもさっぱりといただけます。


さらに、左は山人参という山菜。
こちらではいろんな山菜が採れ、山菜好きの私には嬉しいです。
これは餃子の具に加えてもとてもよく合いそうで、一度試してみたくなりました。
右は地元流のお蕎麦のいただき方です。
わさびや七味唐辛子はつゆに溶くのではなく、直接蕎麦につけるのだそう。
薬味の香りがすっきりと際立って、お蕎麦の美味しさを引き立てます。
おいしい地元の料理をいただきながらの楽しい時間は、あっという間に過ぎていきました。



講演会の翌日は、いつものように大好きな城郭や古寺めぐりに出かけます。
まずは山形城を散策した後、汗だくになりながら30分ほど石段を登り、山寺を訪れました。
名物、山寺の力こんにゃくを食べれば石段を登る力も湧いてきます。
お店のおばさんと仲良くなり、こんにゃくをおまけしていただきました。
そして旅に欠かせないのは、その土地の特産品をつかったスイーツです。
帰りに立ち寄った米沢では、ウコギと洋ナシのラ・フランス入りのソフトクリームを試しました。
ウコギとは、米沢地方で垣根として栽培されている植物で、春から初夏にかけてその新芽を天ぷらなど様々な料理にするのだそうです。
私はおひたしでいただきましたが、渋みもアクもなく食べやすいおいしさでした。 今回は講演がメインの駆け足の旅でしたが、郷土料理と地元の方の優しさに触れ、是非もう一度、今度はゆっくりと山形を楽しみに戻ってこようと心に決めたのでした。

15.Jul.2012